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構造計算とは・・・?の続き

2016年7月24日(日)

こんにちは、森です。

今日は先日に引き続き弊社が全棟実施している

『構造計算』についての続きです。

先日、日本で建築されている木造2階建て住宅の

ほとんどは構造計算がされていないということをお伝えしました。

そのうえでなぜ弊社が全棟、構造計算を

実施しているかということですが

ずばり、

『建築基準法で規定されている壁量計算では

強度が足りない可能性が高い』からです。

多くの人が誤解されていることですが

『確認申請が下りた』 イコール 『国が強度のお墨付きを付けた』

ではありません。

木造2階建て住宅では建物の安全性は

設計した建築士が責任を持って確保することとなっています。

また私はアイジーに入社するまで他の工務店で

設計をしていました。

私の今までの経験上、壁量計算で規定される耐力壁の量は

許容応力度計算では7割程度の強度しかありません。

特に1階の耐力壁でその傾向が顕著に出ます。

また壁量計算で耐力壁を建築基準法の1.5倍程度設けたとしても

水平剛性が弱く、許容応力度計算では既定の強度に達しない

ことが多くあります。

許容応力度計算は前回お伝えした通り

非常にたくさんの計算を行います。

柱・梁などの部材一本一本のの強度、それらの接合部の強度も

全て計算しています。

ということは

強度不足の部材がどれか明確にわかるということです。

PB020029-thumb.jpg


『チェーンは一番弱い部分で壊れる』といいます。

強度不足の部材があれば地震が起こった時にそこから壊れるのです。

この写真は明らかに1階部分の壁量不足と

柱、梁、土台の接合部の強度不足です。

地震時にこの建物の中にいた人は

無傷では済まないでしょう。

また人々の財産と命を守るべき『家』が

財産と命を奪っていくことが私たちには耐えられません。

だからこそ、構造計算を全棟行い

全ての部材、接合部の安全性を確かめることとで

人々の財産と命を守ることが私たちの使命だと

考えています。

このあたりの話はどうしてもつい力が入って長くなってしまいます。

続きはまた来週。

では、また。

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