一般診断の方法
阪神大震災の発生により木造住宅の性能面の見直しが進み、平成12年には建築基準法が改正されました。昭和60年に発行された(財)日本建築防災協会の耐震基準では評価できない部分も発生し、これを受けて平成16年に木造住宅の耐震診断と補強方法(新診断)として改定されました。新診断では建築基準法のうち、大地震における倒壊の可能性を判断します。
床下、屋内、天井裏、外観などをチェックすることで、地盤・基礎・壁のバランス(建物の形、壁の配置)・壁の量(筋交い・壁の割合)、劣化度を調べます。その結果から、家のどの部分が弱く、どのように補強すればよいのかがわかります。
チェック1.地盤・基礎
地盤・基礎は、住宅の耐震性を判断する上で非常に重要です。
診断は基礎の造りと地盤の種別を統合して行ないます。
地盤のチェック内容
・地盤図や周辺の地形を確認
基礎の状態を確認
基礎のチェック内容
・目視でひびの有無を確認
・鉄筋の有無をセンサーで確認
・コンクリートの圧縮強度を計測
コンクリート強度の測定
チェック2.壁のバランス(建物の形・壁の配置)
建物の形と壁の配置を見ることで、その建物のバランスを判断します。
壁のバランスのチェック内容
建築図面と目視で、家の形を確認し、さらに図面通りの壁が配置されているかも確認します。
たとえ壁の量を満たしていたとしても、壁の配置バランスの悪さによって、耐震性を損なうこともあります。
チェック3.壁の量(筋交い・壁の割合)
建物の形と壁の配置を見ることで、その建物のバランスを判断します。
壁のバランスのチェック内容
筋交いと壁の量から、建物が地震の揺れにどれだけ耐えられるかを判定します。
建物は壁の量が多ければ多いほど地震に強く、少なければ少ないほど地震に弱くなります。
チェック4.劣化度
建物の構造耐力上重要な部分が、時間が経ったことで劣化して、欠陥と判断される状態になっていないかを確認します。
具体的には、基礎の形状や土台・柱などの腐朽、蟻害などをチェックします。
劣化度のチェック内容
・床下の湿度・含水率や、白蟻の被害がないかどうかをチェック
・外側から、屋根・外壁などにゆがみがないかをチェック
・床鳴り、柱の傾き、張りのたわみなどがないかをチェック
専用プログラムにて構造解析
診断時に記入した現地調査票を元に、専用の構造解析プログラムにて耐震診断を行ないます。
ここで診断結果がわかります!
(注)診断した日にすぐに結果をお伝えすることは出来ません。
後日、改めて「耐震診断書」「診断写真」をお施主様へお渡しし、耐震診断の結果を報告します。
診断結果による評点の概要
地盤は注意事項となり、従来の壁の配置バランス、壁の量、劣化の状況に加え、新たに水平構面の剛性(床の強さ)、接合部の評価などを行います。
1.5以上…倒壊しない
1.0以上1.5未満…一応倒壊しない
0.7以上1.0未満…倒壊する可能性がある
0.7未満…倒壊する可能性が高い
※1.0未満の場合は、大地震時に建物の安全限界変形角(建物が倒壊しない程度の変形)を越え倒壊の可能性があることを表しています。
アイジーコンサルティングの一般耐震診断は、下記の内容に基づき耐震診断を行なっております。
「木造住宅の耐震診断と補強方法」
監修:国土交通省住宅建築指導課
発行:財団法人 日本建築防災協会